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法律相談は弁護士以外にしたらダメ! [法律エッセイ]

先日、とある法律相談で悪徳不動産業者が素人を食い物にしている例に遭遇しました。詳細は省きますが、遺産分割に弁護士でもないのに介入してとりまとめ、相続人の一部の者から土地を購入していました。購入した土地は、他の相続人の土地が公道に接することができなくなるような場所を敢えて選択し、他の相続人の土地を無価値化して、自己の土地のうち道路に接する部分は分譲していました。人の土地にフタをするようなその土地は、バブルの頃の残滓か今では考えられない金額で購入したことになっていますが、代金の行方も不明となっている上、当事者も既に死亡しています。その悪徳不動産業者は現在、他の相続人の死を待っているようです。たった30分の法律相談で理解することが困難なくらい複雑な事案ですが、概略は上記のとおりです。皆様も絶対弁護士以外には法律相談しないで下さい。修復不能になってから相談されても既に時遅しでは解決できません。


2012-11-10 08:48  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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認めれば少年院に行かなくても済む。 [法律エッセイ]

現在、パソコンの遠隔操作による成りすましによって罪科のない人が逮捕起訴されていたことが問題となっています。その中で、神奈川県警の扱った少年に対し、「認めれば少年院に行かなくても済む」というような一般的教示をしたことが捜査員から漏れ伝わってきています。端的に言いますと、一般的教示をすることはあると言いますが、捜査官の言動は、一般的な話ではなく、当該少年の処分に関することであり、単なる一般論ではありません。また、タイトルのような言動は日常茶飯事のように捜査官の口から出ています。従って、奥歯に物が挟まったような言い方は誤りです。従前からそういう言動は一般的なのです。もっと問題なのは、少年が鬼殺を清酒鬼ごろしからヒントを得たとか、銃蔵が13という数字にかけたという上申内容に関する報道です。少年が清酒鬼ごろしから鬼殺を連想するはずはなく、13から銃蔵を作出したという話も大いに眉唾であり、清酒からそういう話を持って来られるのは、清酒を好む年代の者であり、それは紛れもなく、少年を取り調べたおそらく中年の捜査官の創作なのです。いったん承諾してしまえば、上申書といういかにも本人が自ら書いたような文章も捜査官の意のままなのです。このことを虚心坦懐に認め、恫喝と利益誘導に基づく取り調べを端的に放棄しない限りこの国の警察検察はよくならないのです。そのためのもっともいい方策は取り調べの全過程の可視化です。参考人も例外ではありません。まず、これを励行しなければ間違いはこれからも継続して発生します。なぜなら、捜査官が間違いを敢えて誘発しているからです。可視化にプライバシーの侵害はありません。なぜなら、取り調べは最終的には公判廷で供述すべき内容を録取する為の手続きであり、ここだけの話をする場ではないからです。昔、ある検事(今も現職)が、「ここだけの話」という前置きを謳わせた調書を頻繁に作成しておりましたが、当然のことながら公判で供述者は否定します。なぜなら騙し討ちに近い形で承諾を得て、上記のような鬼殺的調書を取られたことになるからです。


2012-10-23 12:33  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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これでいいのか最高裁 [法律エッセイ]

来る10月12日午後6時から、埼玉会館小ホールにおいて、「これでいいのか最高裁 自由と人権の確立を目指して」と題する講演及びパネルディスカッションが開かれます。入場無料です。パネラーは、元衆議院議員の鈴木宗男さん、元裁判官で弁護士の木谷明さん、オウム真理教麻原こと松本智津男の弁護人を務める安田好弘さん、埼玉弁護士会所属弁護士の小川修さんです。鈴木宗男氏は、皆様ご存知のあのお方です。木谷さんは、無罪を書ける数少ない裁判官であった方であり、現在は、確か法政大学法科大学院教授をしているはずです。平成16年に京都大学で裁判員のシンポジュームが開催されたおり、私は、まだ検事をやっておりましたが、担当部の裁判官であった杉田宗久氏と一緒に居残ってお酒を飲んだことがありました。その場には、大阪弁護士会で勇名をはせる後藤貞人弁護士もおりました。安田さんは、自身もオウムの弁護に絡んで、特捜部のオウム弁護つぶしにあって、弁護士業務を妨害された人です。小川先生は、一連の司法制度改革に反対の声を上げている在野反政府勢力の重鎮です。私もバッジをおいては権力をチェックすべき弁護士として与しています。このように今度のシンポジュームは、これを逃すと二度と見ることのできない豪華キャストとなっています。埼玉会館小ホールは、浦和駅から歩いて5分程度のところにあり、西口の交番で聞けば丁寧に行き方を教えてくれます。是非興味のある方はふるって参加され、現在の司法の現状を垣間見てほしいと思います。


2012-10-10 13:06  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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早期釈放事例のご紹介 [法律エッセイ]

9月2日に傷害の事件を受任しました。事案は、交通のトラブルに端を発した傷害事件でした。罰金相当と思われました。ただ、初犯であり、被害者と示談をすれば、起訴猶予相当とも思われました。そこで、依頼者に「国に罰金を払うなら、その分、被害者にお詫びしたらどうか。」と申し向けたところ快諾しました。そこで、直ちに被害者に連絡を取り、処分見込みを伝えた上、「国に無駄なお金を払うくらいなら、貴方にきちんとお詫びしたいと言っていますが、どうですか。」と言ったところ、被害者も快諾してくれました。9月4日に示談書を取り交わし、さらに「直ちに釈放してやってください。」という内容の嘆願書も作成してもらいました。担当捜査官にその旨伝達したところ、「示談の件は了解したが、罰金の金額が低くなる程度だ。」と言われたので、「被害者も宥恕し、本人も前科前歴がなく、事案の経緯からして情状酌量の余地があるのに、そういう言い方はないだろう。君の処分方針に正義はない。」と言って電話を叩き切り、翌5日、示談書と嘆願書を提出したその足で、裁判所に勾留取消の申立をしました。勾留取消の申立というのは、勾留(留置)の必要がなくなったときに当事者の申立又は職権で裁判所が勾留を取り消して被疑者を釈放する制度です。これには検察官の意見を聞くという手続きが必要です。9月6日、裁判所から電話があり「検察庁の求意見に被疑者の釈放指揮書が添付されています。」と言われました。検察庁は、勾留取消になる前に先回りして被疑者の釈放を指揮していました。こうして被疑者は、9月6日、勾留から4日で釈放になりました。放置しておれば本日まで勾留されていたことになりますが、本人は翌日から元気に会社に出社しています。


2012-09-11 09:51  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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虚偽のDV被害申告 [法律エッセイ]

久しぶりにブログを更新します。今、離婚訴訟の答弁書を作成しました。なんとか提出期限に間に合いました。しかし、最近は、離婚原因が見つからない、あるいはない場合、ありもしないDVを作出する事案が多いようです。このことは現在DVが社会問題となっていることの裏返しではないかと思われます。すなわち社会問題にもなっている重大な被害を申告すればこれを裁判所も座視できないと見るのではないかと誰かが判断しているのでしょう。これまでの経験から考えても社会的耳目を集める病名は流行期を迎え、その後、終息に向かっているようです。著名なのはPTSDです。これは犯罪被害などに関し、約10年くらい前から流行りだし、やたらこの診断病名を付ける医師が現れだしましたが、その後の調査で7割はそれに当たらないという報告も出ています。次は、鬱病ですが、現在も隆盛を誇っています。DV、モラハラなどのハラスメント系は様々な態様の人間関係(夫婦関係)のもつれを相手方に押しつけるのに使われ出しています。離婚訴訟ではかなりの件数で鬱病の診断書が出されているようですが、見てもいないのに医者は、「夫婦間の葛藤」「夫の暴言」を平気で原因に書く者もおります。基本的に犬も喰わないということわざがありますからもう少し冷静になれませんかね。なれないでしょうね。弁護士が増えて、どんな案件でも受任しないと生活ができないようですから、どこかの国では。


2012-06-13 16:34  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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覚せい剤取締法違反(所持)を不起訴にしました。 [法律エッセイ]

先日、ある依頼者が覚せい剤取締法違反で逮捕されました。事案は、車の中から覚せい剤入りのパケが発見されたという覚せい剤所持の事案でした。依頼人は、その前に2週間ほど入院しており、退院帰宅の際、警察が訪れ、自宅近くに止めていた車の捜索が行われ、運転席と助手席の間からパケに入った覚せい剤が発見され、本人はその場で現行犯逮捕されたようでした。当然、本人は、身に覚えがないということで当職が弁護人に付きました。この事件はウラがあり、どうやら仕組まれた事件のようでした。そこで、その顛末推理して意見書にまとめて検事に伝達しつつ、証拠関係を推理し、否認を貫き通したところ、勾留20日で釈放となりました。真相は藪の中ですがこのような事件も実際に存在するのです。この事件では、釈放のとき、担当刑事さんともお話したのですが、担当検事からの捜査指示はなかったようでした。当職とも接触を拒絶した検事は当方の弁護方針をブレのないものとしてくれたありがたいやる気のない捜査でした。担当刑事さんは、最後に「先生から見たらぺーぺーでしょう。」と検事のことを評していましたが、その意味は重大です。


2012-04-19 15:40  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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自首を勧める弁護士 [法律エッセイ]

本日、当事務所に来られた相談者は、別の法律事務所で事件相談したところ、自首を勧められたそうです。事案の概要を聞くところによれば、犯罪成立要件を充たしておりませんでした。相談者から聞いた法律事務所をネットで検索したところ、関東地方の某港町の法律事務所でした。その事務所もやはり刑事事件に精通している旨ホームページで謳っておりました。着手金報酬ともに当事務所より高額です。相談者はその事務所の若い弁護士からアドバイスを受けながらも疑問を感じ、当事務をに相談に訪れました。相談が終わってみれば誰が考えても変なアドバイスであったことを相談者も再確認して当事務所をあとにしました。振り返ってその事務所の弁護士紹介の欄を見ると、故意か過失か分かりませんが、司法研修所を終了した期が記載されておりませんでした。当該事務所の弁護士は、犯罪構成要件の適用罰条も間違ってアドバイスしていたことは言うまでもありません。


2012-03-14 17:39  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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ホームページをリニューアルしました。 [法律エッセイ]

ホームページをリニューアルしました。アドレスは、http://www.kudo-law.com です。

一度ごらん下さい。


2012-03-01 11:08  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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三審制の意義? [法律エッセイ]

タイトルの記事は、もっともらしいことを言っていますが、控訴審の検察寄りの姿勢が問題なのであって、法の大原則に従った事実認定がなされるべきなのです。この手の記事は反論の余地がないように見えますが、単に右顧左眄しているだけであり、現実から乖離しているのです。そもそも検察官控訴に対する言及もありません。



最高裁が裁判員裁判を尊重して無罪判決? [法律エッセイ]

この判決を受けて、ある高裁判事経験者が「今まで、自己の心証で、1審の証拠の評価を変更して有罪にしてきた。」旨のコメントを述べていました。三審制の我が国における控訴審は、事後審であり、理論的には1審判決の事実認定の当否を判断する裁判所であり、そもそも高裁判事が勝手に抱いた心証で1審の証拠の評価を変更することは許されておりません。故に上記高裁判事経験者のコメントは、ダイレクトに「検察寄りの判断を加えて有罪にしてきた。」という旨の自白です。これに止まらず、高裁は、検察には全く立証制限を加えず、1審からの審理を継続し、事実上の続審制を採用しています。そこには1審検察官の立証の不手際をカバーするだけでなく、事後に作成された歪曲の疑いのある証拠も採用して有罪にしています。現に私の経験した控訴審は、1審の被害者を再尋問し、1審での証言を転覆させただけでなく、1審では全く供述もできなかった事実について検察官が語らせることで判決を逆転させました。これが実態であり、今回の最高裁は、裁判員という自分の作った制度を守ることに必要な限度で、刑事裁判の鉄則である「疑わしきは被告人の利益に」を少し取り入れたに過ぎません。国民が見ていない裁判員裁判以外の裁判はほぼ旧態依然と言ってよい状況にあります。

国民の皆さんには裁判の監視をお願いします。

権力は監視されなければ必ず腐敗します。



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