思春期内科医が不当な逮捕に苦しめられています(準強制わいせつのえん罪事件) [法律エッセイ]
現在受任している事件に、思春期内科の医師が診察中にわいせつ行為に及んだという刑事事件があります。この事件は、思春期内科を診療科目として掲げ、二次性徴異常や思春期成長障害や思春期早発症の治療実績のある医師が性ホルモン分泌異常の疑いをもって少年を診察し、睾丸の成長度などをみるために性器を触診した際、少年が射精したことについて、準強制わいせつの疑いをかけられているものです。もちろん、この医師に同性愛の趣味も小児性愛の趣味もありません。警察は、本件の医師の診療内容につき、上記のような治療実績があることなどを強制捜査着手前には把握しておらず、そももそ性器に対する触診自体をあり得ない弁解と捉えていました。また、長期間捜査した割には、被害者とされる少年の供述の問題点となるべき事実(敢えて割愛します。)を十分捜査しないまま強制捜査に突入しておりました。現在は、それぞれ上記問題点は把握しているようです。問題は、担当検事です。検事は、触診等の必要性は認めるような節があるものの、「射精までさせたんだから言い逃れできない。」というような見解であり、患者が服を脱ぐ時点から勃起状態であって、終始勃起状態のまま触診を終えて、別の作業に移ろうと医師が目を離したところ、患者がベッドの上で射精をしたなどという被疑者の語る事実には全く耳を傾けようとしません。触診前の写真が残存しており(成長度合いを見るための写真撮影)、その時点で既に勃起している状態であったことは明らかであり、そのような状況下にあったことを認識しているにも関わらず、「そんなの関係ない。」という態度です。このような取り調べには、双方の供述の信用性を吟味するという姿勢が全く欠如しており、端的に言えば「被害者がそう言っているからそれは事実だ。」と決めを打っているだけで、真相の究明、真実の探求とはほど遠いものがあります。そういう態度に起訴権限を与えると、ほとんど捜査の必要性はなく、ただ単に警察で作成した被害者の供述調書をカーボンコピーするだけで済みます。それではわざわざ司法試験を合格した人を採用する必要はなく、ただ単に罵詈雑言を浴びせるのが特異な人か声が大きな人を採用すればいいことになります。実際、私が現役のとき、逮捕から1週間以内で被害者の検事調書を作成した方がおりましたが、内容は、警察官の調書の引き写しであり、その長さから午後の取り調べでは到底作成しえない長さでした。つまり、一心不乱に警察の調書をワープロで打ち直し、かつ、脚色していたのです。もちろん、公判では多いに事件に至る経緯において紛糾しました。
共通テーマ:日記・雑感
かねてから、この裁判の進捗に興味を持っています。
触診も写真撮影も適切な医療行為だと思います。
ただ一つ、本文の中で、「もちろん、この医師に同性愛の趣味も小児性愛の趣味もありません。」という部分だけが気にかかります。口ではそう述べていたとしても、“本心”は、その人だけにしか分かりませんから…。
裁判が進んでいるのであれば、またブログを更新していただきたいです。応援しています。
by 名無し (2016-09-28 08:00)