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富山冤罪、男性「十分な弁護なかった」県弁護士会が調査へ

http://www.so-net.ne.jp/news/cgi-bin/article.cgi?gid=mai&aid=20070627i405



この記事に本音でコメントすると、多方面に誤解を招く結果になりそうなので、一言だけコメントします。
その国の刑事被告人の処遇がその国のレベルを体現していると。
今風に言えば、国家の品格というのでしょうか?
あの本にも異論はありますが、それは後日の話題にします。


2007-06-27 22:49  nice!(0)  コメント(6)  トラックバック(0) 

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コメント 6

rio

ぜひ本音をうかがいたいです。わたしは記者としてほんの少しこの件にかかわった経験があり、いまも忸怩たる思いを抱いています。誤解を招いてもいいじゃないですか。分かる人には分かりますから。
by rio (2007-07-01 10:32) 

keisuke

検事をやっていたとき、自白事件でありながら「本当に犯人か?」と思ったことがありました。過去の無罪事件の軌跡をたどってみて、私には、当該事件が同様の経緯を辿るであろうことが予測され、かつ、自白に全く客観的裏付けがなく、逆に客観的事実に相違する点を発見して不起訴にしたことがありました。そのときの上司はこれを是認してくれました。同様の事件では、極めて素朴に「自白してるだろ。法廷でも認めるだろ。」と言った上司がおりました。私は、その事件を不起訴にしました。そのことが理由でいまここにいるわけではありませんが(笑)、誰でも面倒なことは億劫ですから、認めていて法廷でもそのままいけば苦労しないと思えば、易きに流れてしまうのです。真実を知りたくないのです。ましてや捕まえておいて、済みませんなんて謝ることなどできないのです。あの事件も真犯人がでなければ彼が犯人のまま一生汚名を着せられていたと思います。本人を見ました。きちんとした人でしたが、たぶん押し切られるタイプでした。どこにでも居る人ですよ。弁護士の立場から言えば、地方など引き受け手がないのが実情です。数万円の国選で人から奇異な目で見られると思えば。仮に接見のとき、打ち明けられても「困る」というのが本音だと思います。そのときの弁護人がそうだとは言いません。一般的な感想です。裁判官は、訴追側に都合のよい証拠だけしか見ることができません。法廷でも自白を維持されたのですから、手の施しようがなかったと思います。仮に矛盾証拠を発見しても、皆が「この人が犯人です。」と言っているのですから、何ができるでしょうか?マスコミに関しても、その情報はほとんど警察サイドではないかと思います。私は、事件を担当していたとき、地方紙の記事をみて、担当していた被疑者の供述状況の記事を見てから役所に行っておりました。その記事は警察からそのまま流れていることが多いので、前日までの供述状況を知ることができると思ったからです。それでも尾ひれが付いていました。こんな状況で裁判員裁判をすることに危惧感を覚えますが、逆に現状と大差なければ大過なしと見るべきかなどと暗澹たる思いに囚われる今日この頃です。まだ本音は出ておりませんが、言える範囲で言えばこんな感じです。
by keisuke (2007-07-01 22:09) 

rio

ありがとうございます。マスコミの事件記事は、ほぼ100%警察情報でできています。おっしゃるとおりです。易きに流れるのはマスコミもまったく同じです。

富山は特に遅れていました。彼が誤認逮捕された2002年時点、全国紙の支局を含む地元メディアは公権力を取材をする大切さを忘れ、単なる広報期機関になりかかっていました。全国紙は地元紙を「回覧板」と揶揄していましたが、実態はどこも似たりよったりでした。そのために、警察だけでなく、地検、県庁、市町村などあらゆる公権力内に極端な隠蔽体質と事なかれ主義がはびこっていました。

事件発生当時も、概要を知らせる警察の広報文を読み、所轄の副署長に細部を聞き、原稿を一本書いて終わりだったのだと思います。それ以上のことを警察、地検、弁護士に取材したり、現場を見に行ったりした記者は、おそらく一人もいないと思います。発生時期が異動時期の4月だったこと、県西部という記者が手薄な地域だったこと、富山が県警の覚せい剤もみ消しでゆれていたことなどから、私も含めて”解決済み”の事件に誰も関心を持たなかったのが正直なところです。

富山冤罪事件は、一義的には警察・検察の失態ですが、マスコミや弁護士の怠慢が事態を悪化させてしまいました。再審開始後の裁判所、県弁護士会、そしてマスコミの動きを見ると、責任逃れだけを考えているとしか思えません。この件を自分のブログで取り上げなかった私も怠慢で、ある意味、責任逃れですね。反省します。
by rio (2007-07-03 04:22) 

keisuke

rioさん、詳細なコメントありがとうございました。
実は、書き込んだあと、本当に記者かと思って、書かなきゃと思ったことがありました。
書いた事実そういうことではありますが、全てがそうだという決めも打ちたくありませんので、それぞれのポジションで現状を改善するよう努力したいと思っています。
警察だけが悪いわけではありませんが、必然的にそうなるシステムなら巻込まれた人間の補償を全うする法制を考えるなど次善の策もあるはずです。
人間の制度ですから完璧なものはありませんので。
by keisuke (2007-07-04 00:02) 

rio

keisukeさん、本当に全国紙の記者でした(笑)。辞めちゃいましたけど。この事件にからんで、元同僚にちょっと聞いてみたのですが、富山の閉鎖体質は相変わらずだそうです。事件発生時に「事件が起きているかどうかも含めてコメントできない」なんてことを言った県警幹部もいたぐらいですから、一朝一夕には変わらないのでしょうね。
by rio (2007-07-04 07:22) 

keisuke

そのとおりです。
弁護士も増員時代で、既存の事務所は、規模の拡大につとめています。
いわゆるマスの力です。
そうなると、事務所維持費が前面に立ち、まず、事件化ありきで売り上げを目指し、弱者は切り捨てられます。
売り上げという言語も嫌いですが…。
そして、いわゆるネームバリューのある?事務所がいたいけのない庶民からむさぼっています。
しかし、かつてのアメリカの会計事務所の寡占化をビッグエイトと称した時代でもそれに抗した事務所はあったそうです。
僕は、ヒルズにお願いにいく人は限られていると思うので、本当に困っている人の相談を受けたいと思っています。
弁護士倫理とは何かという気もしています。
by keisuke (2007-07-05 01:04) 

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