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接見 [法律エッセイ]

これから依頼人である被疑者のいる久松警察署まで接見に参ります。刑事事件を受任すると接見をする日々が続きます。接見では依頼人に供述調書作成上の注意点を教示するなど身柄拘束されていることの不利益回避に全力を注ぐほか、取り調べ状況から捜査の進展状況を推理して、取るべき対処方針を定めます。刑事に陳情に言ってもほとんど意味をなさないので、処分を決する検事にメッセージを送ります。今回の依頼人は接見禁止が付いています。接見禁止が付くと一般人との接見はできません。接見禁止と聞いて入浴時に石鹸を使えないのかと思った被疑者がいるという笑い話がありますが、接見禁止なので弁護人も被疑者に会えないと判断して接見に行かなかった弁護士が出現しています。ロースクールの弊害です。当職はもちろんそのような愚かなことは考えませんが、そのような弁護士に依頼した場合は弁護士費用をドブに捨てたも同然です。そのような弁護士は一事が万事同様のミスを連発しているはずだからです。弁護士を依頼するときはおおむね30分程度事案の説明をして判決予測までできない場合は依頼を止めた方が賢明です。1時間枠からしか相談時間を設けていない事務所もおおむね信用できません。ヤブ医者にかかると何度も医者に通う羽目に陥るのと同じです。


2013-12-04 18:06  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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150万円を超える横領事件で執行猶予判決 [法律エッセイ]

先日ブログに書いた免訴を争っていた事件の判決が本日あり、無事、執行猶予付き有罪判決を受けて被告人は釈放になりました。行方不明の主犯格に誘われて分け前をもらった事案でしたが、1人起訴されたのを酷だと感じて免訴主張していたものです。判決は検察官の主張を全面的に容認したものでしたが、法律上の主張をしていく中で家族とも再会し、被害金の半分以下の示談金で円満に被害者と和解しての判決に被告人も納得したようでした。新米検事の起訴でしたので、共謀の取り方が雑で、当方の主張も無理がなかったことと実質的公平を欠く旨の主張に裁判官も終始納得していたので、否認にもかかわらず円満な判決に至ったものです。実際、検事の目から見ても、主犯格の横領行為が終了する前に被告人もその情を知っていたと言われても仕方のない事実もありましたので、既遂後の加巧は厳しいかなと思っていましたので、所期の目的を達成してとりあえず満足とします。このように刑事のみならず事件には必ずキズがあるもので、自分が検事のときは、何を潰したら無罪になるかという点から事件のツボを探し、その上で確たる証拠を集めるようにしていました。弁護士になるとその逆を行くわけですが、不合理な争い方をして依頼人に不利益を与えないよう細心の注意を払っています。


2013-12-04 11:13  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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窃盗と罰金刑とホームレス [法律エッセイ]

窃盗罪には以前は罰金刑がありませんでした。しかし、数年前の法改正で罰金刑が設けられました。理由は、貧困のみで窃盗を敢行する者だけではなく、一律に裁判にかけるか起訴を猶予するかしかない選択に幅を持たせるという目的でした。しかし、ホームレスとなると初めからお金がありません。そのような場合、起訴を猶予することはなく(たぶんまたやるからという発想でしょう)、罰金刑を求めて正式な裁判にかけることになっています。そして、裁判では罰金刑を宣告するのですが、逮捕から裁判までの日数分既に労役場で留置されたことにして、宣告した罰金刑から日数分の日当を差し引き、「勾留日数を罰金刑に満るまで算入する。」とし、罰金刑の執行が終わったことにしてその場で釈放することにしています。この国ではお金がない人は、お金がある人なら起訴を猶予されるような事案でも裁判にかけられ、検察庁の罰金徴収が未済にならないように裁判所が本人の意思に関係なく体で払わせてくれるのです。午後2時10分からその裁判があります。


2013-11-25 12:53  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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裁判員の日当 [法律エッセイ]

裁判員の手数料(日当)をどうするかという議論になりました。

私は、部総括判事と同等にすればよろしいと具申しました。
部総括判事となると年収何もしなくてもいるだけで2000万円です。
結果はそうはなっていません、
国民の裁判員は二束三文です。
これが明治維以来のお上の国民に対する態度です。


2013-11-23 22:31  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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裁判員と事実認定 [法律エッセイ]

裁判員になっても事実認定なんかできるんですかという質問を受けることがあります。

私は、「事実認定は、コナン君くらいの好奇心をもってやればできる。」と答えます。
実際、検事をやっていたことに、事実認定のプロという自負があるとすれば、それは、裏付けは必ず取る、客観的証拠を無視しない、納得のいかないことに納得しないというような極当たり前のことをやっていたという点に尽きます。
ですから、裁判員に選ばれた人も、コナン君のような気持ちで虚心坦懐に事実を見つめて結論を出せば、ほとんど間違ってはいないと思います。
その場合、問題なのは、そういう素直な判断をしない人物によるバイアスがかかるおそがあるということです。
そういう人が親切そうに事実の認定を曲げにかかってきたとしたら、それは検察庁と出来レースが出来上がっていることを理解すべきでしょう。
司法試験を優秀な成績で合格しても、裁判を自分の出世栄達の手段にしか考えていない人はいっぱいいます。
そのな人に利用される裁判員になったらこれほどあほらしいことはないですから。


2013-11-23 21:20  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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冤罪 [法律エッセイ]

今日の不当判決を受けて冤罪について考えた。冤罪は存在する。ただ、自分は検事をやっていたから、意識して冤罪は作っていないという意識はあった。しかし、今、それは自分の意識であって客観的に存在するものではないことを自覚した。

戦後、免田事件などの死刑判決再審無罪事件が相次いだが、実際には相当数の冤罪死刑事件があるのではないか。
死刑判決が少なかった時代での4大死刑再審無罪の存在からのざっくりした感覚だが間違っていないと思う。
そして、今は裁判員が国民の常識の名の下に、裁判官に誘導されて死刑判決を量産している。
この国はあらゆる意味で官が国民のあらゆるものを搾取しているのではないかと思えてならない。



2013-11-21 20:52  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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石が流れて木の葉が沈む [法律エッセイ]

午後3時5分に被害に遭ったと被害者が供述し、被害者の供述によれば、被害に遭う前の行為を記録したはずの写真が午後3時12分と午後3時19分に記録されているのに、裁判官の頭の中では、「些細なこと」となる。

裁判所では、石が流れて木の葉が沈むのです。


2013-11-21 20:14  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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刑事事件は時間外でも受け付けます。 [法律エッセイ]

当事務所では、事務所の電話から弁護士の携帯電話に転送するよう設定しています。本日の不当判決を受け、当職は、早期に弁護人が選任されることの重要性を痛感しました。それ故、刑事事件に関しては午前9時30分以前でも午後5時30分以降でも依頼を受け付けることにしました。


2013-11-21 18:12  nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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不当判決! [法律エッセイ]

本日、さいたま地方裁判所第1刑事部は、新座市のクリニック院長に対する準強制わいせつ被告事件について、懲役1年6月の実刑判決を下しました。しかし、その判決理由は、客観的証拠といわゆる被害者側の供述の矛盾を無視し、被害者側の供述を、体験した者ではなければ供述しえない内容であるとか、被害者が敢えて院長を罪に陥れる理由はないなどという理由にならない理由を呪文のように羅列した内容で、ほとんど無内容と言い切れる内容のものでしたので、判決言い渡し終了直後に控訴申立をしました。今後は、舞台を東京高等裁判所に移し、原判決の不当性を訴えていくつもりです。

 


2013-11-21 18:07  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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逮捕されたらとりあえず電話して下さい。 [法律エッセイ]

逮捕されると警察は48時間以内に身柄を検察庁に送ります。検察官は、24時間以内に被疑者を釈放するか勾留請求するか選択しますが、実務上はほぼ100パーセント勾留請求します。当職の経験でも逮捕後釈放した事例はごくわずかです。しかし、実例を見ると、「弁護人がいて、身柄引き受けがあれば釈放してもよかったかな。」という事例はありました。また、逆に弁護人がいないと検察官の勾留請求はほぼ100パーセント裁判所に認められてしまうのが実情です。当職の11年にわたる検事経験でも勾留請求が却下になったのは1,2件しかありません。仮に木曜日に逮捕されると金曜日か土曜日には検察官送致になり、土日に勾留請求がなされますが、その時点で弁護人を選任して対処しないと例え冤罪であっても勾留請求が認められ、勾留決定時から10日間は警察の留置場に留置されることが決まってしまいます。ここで有効な弁護人を選任して勾留決定を阻止できれば、週明けから職場復帰が可能となり、事件の処分はさておき、正常な社会生活に戻ることができます。身柄拘束の事実が職場に知れることとなれば、職を失いかねません。このように逮捕されたあとの対応如何で人生が大きく変わる可能性がありますので、逮捕されたら直ちに信頼できる弁護士に相談することが肝要です。ただ、最近では刑事弁護専門を謳った事務所が、窮乏に乗じて、軽微な事件でも百万円を超える着手金を要求したり、法外な預かり金や預託金を要求する事例が増えています。そのような事務所に引っかからないよう信用できる事務所にまず電話してみることをお勧めします。できる弁護士か否かは30分程度話を聞いて事件がどういう結末を迎えるか予測できます。それ以上の時間をかけて相談しても納得のいかない弁護士は刑事弁護専門を謳っていても眉唾ですので、お気を付け下さい。


2013-11-19 16:15  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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